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2026/04/06 09:59 ~ なし
「普段は行かない場所に行く、ということ——教材制作と視点の話」
「普段は行かない場所に行く、ということ——教材制作と視点の話」
実は個人的な話になりますが、休日にマンホールカードを集めています。
マンホールカードは、カードをもらうためにその場所まで足を運ぶ必要があり、
普通なら目的地にしないような場所に行くことも少なくありません。
「こんなところ、誰もいないだろう」と思いながら向かうこともあります。
ところが実際に行ってみると、同じ目的で訪れている人に出会うことがあり、
そのたびに自分の思い込みを反省させられます。
この経験は、教材制作の仕事とも重なります。
制作の現場では、
「ここは大丈夫だろう」
「多分、読み手は迷わない」
と、無意識に判断してしまう場面がどうしても出てきます。
しかし実際には、
想定していなかったところでつまずきが生じたり、
意外な箇所に負荷がかかっていたりすることがあります。
マンホールカードをきっかけに、
「目的があるからこそ、あえて普段行かない場所に行く」
「人がいないと思い込まない」
「一度視点を持つと、それまで見えていなかったものが見えてくる」
という感覚が身につきました。
その結果、道を歩くときにも、実際のマンホールに自然と目が向くようになりました。
一度“見る視点”を持つと、世界の見え方は変わります。
教材制作も同じだと感じています。
正しい情報が載っているだけでは、教材として十分とは言えません。
「読み手はここでどう感じるか」
「本当にこの順番で理解が進むか」
「測りたい力を、きちんと測れているか」
そうした点を、先入観なく確認し続けることが、編集・制作の質を支えていると考えています。
一見すると遠回りに見える確認や検証こそが、
結果的に手戻りを減らし、教材としての完成度を高める。
マンホールカード集めは、そんな姿勢をあらためて意識させてくれる趣味でもあります。


